英ポンド/円相場は、170円台後半まで値位置を切り上げる展開に。166~170円水準でボックス気味の相場展開になっていたが、12月17~18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)をきかっけにドル/円相場が一段と上値を切り上げる中、ポンド/円相場も年初来高値を更新している。
FOMCでは毎月850億ドルの資産購入を750億ドルまで減額することが決定されており、いよいよ金融緩和拡大の流れにブレーキが掛かり始めている。金利上昇は強くけん制しているものの、先進国の中で米国が先陣を切って金融緩和策の「出口」を模索し始めていることが、主要通貨に対して円を押し下げている。それはポンド/円相場も例外ではない。再び日経平均株価が急伸地合となる中、日本株買いと連動した円売り圧力が強まると、瞬間的には更に円安が加速するリスクがあることに注意したい。
もっとも、ポンドサイドの買い材料は引き続き乏しい。今月開催の金融政策委員会(MPC)議事録では、政策金利を過去最低の0.5%に据え置くこと、資産購入枠を3,750億ポンドで維持することは、全会一致で決定されていたことが確認されている。加えて、「英国の主要貿易パートナーの経済活動が低調に留まる限り、国内外の需要バランス改善は難しいだろう」と指摘し、「これ以上の大幅なポンド上昇は、需要の伸びバランスならびに景気回復にとって追加的なリスクになるだろう」と、ポンド高を強くけん制している。カーニー・イングランド銀行総裁は景気刺刺激策の調整を先送りする方針を確認しており、円安圧力が鈍化すれば、ポンド/円相場は高値保ち合い相場に移行しよう。
テクニカルでは、一目均衡表の基準線(165.15円)との乖離が引き続き目立つ。転換線(168.89円)水準でのサポートに失敗すると、値が飛ぶリスクがある。サイコロジカルは、前週の6勝6敗から4勝8敗に。14日RSIは66.91。